鍼灸師とは?
ひと言で「鍼灸」といいますが、資格としては「はり師免許」と「きゅう師免許」の二つの資格がありますので、「鍼灸師とは、はり師免許ときゅう師免許」の二つを有したもの」という定義になります。
はり師免許ときゅう師免許の資格を取るためには、鍼灸学校に3年間通い、さらに国家試験を合格する必要があります。
鍼灸学校では、鍼やお灸の仕方を修得するための実技や、東洋医学の理論はもちろんですが、人の身体・健康を預かる仕事でありますから、現代医学の解剖学、生理学、病理学、臨床医学など、医学に関する全般のことも学びます。
むしろ、鍼灸学校では、現代医学・西洋医学の知識を学ぶことの方に重点が置かれているので、東洋医学の授業時間よりも、現代医学・西洋医学の授業の方が圧倒的にコマ数が多くなっています。
これは、東洋医学の範囲に入る鍼灸であっても、そもそも施術対象の身体は東洋や西洋の区別はないので、その基本となる現代医学・西洋医学はしっかりと学ばなくてはいけないという考えから来ているものです。鍼灸学校では、鍼灸師も国民の健康に寄与できる存在となるべく、そして信頼される鍼灸になるためのカリキュラムが組まれています。
鍼灸師はただ単に鍼灸をすることができるというだけではなく、身体や病気、健康についての知識を学んできています。
そしてはり師免許、きゅう師免許は国家試験であることから、国が認めたものという位置づけがなされています。
鍼灸ができる資格
上述したように、鍼灸を施術できる人として、「はり師免許」と「きゅう師免許」を取得した鍼灸師を挙げました。
しかし鍼灸ができる資格は、これだけではありません。
医師もまた、鍼灸をすることができます。
でも、これは、全ての医師が鍼灸の勉強をしているという意味ではありません。
医師は、身体についてのあらゆる施術ができる、つまり、身体を診察したり、治療することに関してはオールマイティの資格です。
なので、オールマイティの医師は鍼灸をする資格を持っていることになります。
しかし、医学部で鍼灸の勉強をすることはありませんので、医師の場合は、”鍼灸をする許可が与えられている”という程度の意味合いであって、”医師も効果のある鍼灸ができる”とか、“医師も鍼灸を学んでいる”という意味ではありません。
むしろ、医師は鍼灸については全く知らないばかりか、非科学的なものとして不信感・嫌悪感をもっている方が多いかと思います。
故に、残念ながら多くの医師は鍼灸の効果を知らず、頭から否定する医師も多いです。
医師の中には、漢方薬については肯定的な人も増えていて、実際に処方しているところも出てきています。しかし鍼灸に関してはまだまだ否定的な医師の方が大半のようです。